このタイプは常時電気は送られてきていて、コントローラー内蔵のマイコンで制御しています。
このマイコンは毎日決まった時刻に各回路の温度を記録していて、
『AM6:30に設定温度にする為に各回路が何分通電が必要なのか毎日判断して順次電源を入れていく』という動作をします。その日の気温の様子や設定温度等の要素で通電時間に誤差が出る事もありますが、基本的に毎日やっている事はこういうことです。
そして、何らかの不具合が出た時にこのマイコンが記録しているデータを読む事である程度状況を推測する事が出来ます。
各回路の基板にデータを読む為のボタンがついています。例えば『B回路がなぜか温まらない』なんて時に以下の手順で確認してみてください。
コントローラーを開けて中の基盤を露出させます。
上の画像の赤丸をつけたあたりに黒い小さなボタンがあります。このボタンを押すたびにB回路の記憶している各種データを見る事ができます。(データは時計部分に表示されます)
1-○○ 現在、温度センサーで感知している温度は○○℃
2
3-○○ 昨夜20:00に感知していた温度
4-○○ 昨夜23:00に感知していた温度
5
6-○○ 蓄熱開始時に感知していた温度
7○○○ 蓄熱時間(分)
8-○○ 蓄熱終了時に感知していた温度
9 温度センサーの状態 000 →正常
E01 →センサー無しor断線
E02 →センサーショート
E03 →過昇
今現在のコンクリート温度を放射温度計で測定し、コントローラーのデータと比較してみてください。
例えば…
現在時刻 AM10:00
コントローラーの設定温度 35℃
実際のコンクリート温度 22℃
コントローラーのデータが
1-34
3-28
4-27
6-27
7240
8-35
9000
だったとします。コントローラーのデータ的にははとても正常に動いているのに、実際のコンクリート温度とはあまりにも乖離しています。
ここから『温度の感知状況に問題がありそうだな』なんて予測が立ちます。
ひとつの端子にセンサーが2本接続されていたなんて場合はこんな数字になると思います。
もうひとつ例を…
現在時刻 AM10:00
コントローラーの設定温度40℃
実際のコンクリート温度 22℃
コントローラーのデータ
1-23
3-19
4-18
6-18
7480
8-24
9000
この場合、通電時間が480分(=8時間つまり深夜時間めいっぱいのフル通電)の割に温度の上昇も少なく、コンクリートも冷えています。
ここから『床下を冷やしている何らかの問題はないか?』なんて予測して、床下に潜って気流の有無を調べてみるなんていう作業になります。
例えば、換気のダクトがユニットバスの天井裏付近で外れていて、冷気が壁の中を伝って床下に落ちていた…なんていう事例がありました。
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